“日本が大好き” なゲストを全員笑顔にしたい

私が勤務する「鉄板江戸」は、シェフがパフォーマンスしながら鉄板料理を提供する、エンターテインメント性の高いレストランです。店内は6つの部屋で仕切られ、各部屋に大きな鉄板が4つ配置されています。ゲストはこの鉄板を囲むように合い席で座っていただき、シェフのパフォーマンスを間近で見ながらお食事を楽しんでいただきます。 私たちサーバーはゲストの皆様のお食事の時間を楽しんでいただけるよう、この1部屋を現在は3人体制で担当しています。オーダーをとり、ドリンクや前菜をお持ちして、そのほか必要な物があればすぐにお届けするなど、細かいところまで目配り・気配りが求められる仕事です。

 

“日本が大好き” なゲストを全員笑顔にしたい 鉄板江戸はエプコット®で1位、2位を争う忙しいレストランです。常にスピーディーに仕事をこなさなければなりませんが、同時におもてなしの心を忘れずに、「スピーディーかつ丁寧に」を心がけています。
 
鉄板江戸に来られるゲストは、「日本が大好き」という方が多いのですが、日本文化についてはまだご存知ない方もいらっしゃいます。例えば、いらっしゃったゲストにおしぼりをお出しすることは日本ではごくあたりまえのサービスですが、初めてそれを体験するゲストはびっくりされます。
 
このような日本のおもてなしの一つひとつをゲストとの会話の中でお教えし、日本文化を共有するのも私たちの大事な仕事です。その一環として、小さなお子様には折り紙でカエルを折ってプレゼントすることもあります。そのカエルをテーブルに乗せてお尻のあたりをチョンと押すとジャンプするので、お子様は目をパッと見開いて喜んでくださいます。同じ鉄板を囲むほかのゲストの方まで全員笑顔になるので、こちらまで嬉しくなります。

ゲストの大切な瞬間を一緒につくる

ウォルト・ディズニー・ワールド®・リゾートには、誕生日やハネムーン、アニバーサリーに来られるゲストも大勢いらっしゃいます。お祝い事があるゲストがいらした際は、鉄板江戸キャスト全員で祝福パフォーマンスをします。なかでも、ある若いカップルのゲストとの思い出は今でも忘れられません。
 
その日は、女性の方の誕生日で、ご予約の際にお連れの男性からスペシャルケーキのご注文が入っていました。このケーキはアイシングで描いたミッキーマウスとご要望のメッセージでデコレーションされているのですが、実は男性からご依頼があったメッセージは「Happy Birthday」ではなく、「Will You Marry Me」というものでした。私たちサーバーには、毎回ゲストのちょっとした情報が書かれた紙“チェックインシート”が渡されるのですが、その紙にも「proposal」と書いてありました。私は男性がこのケーキを使ってプロポーズされるのだと知って、たちまち緊張してしまいました。
 
ケーキをテーブルにお持ちしたとき、女性の方は誕生日を祝ってくれるのだろうと思われたようでしたが、ケーキの文字を見た途端、笑顔から驚きの表情に変わりました。そのときサッと男性の方が指輪を渡されたのです。女性の方は感激して、はらはらと涙を流していらっしゃいました。
 
私はその光景に感動して胸がいっぱいになりました。スペシャルケーキをお持ちする際は、同じお部屋でお食事をしている皆様の注目を引くために「Ladies and gentlemen」ではじまるお決まりの言葉があるのですが、そのときはもらい泣きして声がつまってしまったことを今でも覚えています。

 

ゲストの大切な瞬間を一緒につくる 渡米前、私は鉄板江戸を「シェフのパフォーンスが人気のお店」くらいにしか考えていませんでした。しかし実際に働いてみると、ここはゲストにとって「特別な場所」なのだと毎日のように気づかされます。だからこそ、大事なプロポーズの場、アニバーサリーの場に選んでいただいているのです。私たちサーバーにはその瞬間瞬間を一緒につくっていく役割があるのだと、この仕事の重要性を実感した出来事でした。

思いやりに技術・方法をプラスすると魔法が生まれる

ここウォルト・ディズニー・ワールド®・リゾートには、世界各国から毎年4,000万人もの人が来訪します。なかには、「一生に一度」という方もいらっしゃいます。だから一期一会の気持ちを大切にして、ゲストの皆様一人ひとりの楽しい思い出づくりのお手伝いをしようと日々努めていますが、私たちの方がゲストから思いもよらぬ幸せな瞬間をプレゼントされることもあります。 ブラジル人のゲストが家族8名で来られたときもそうでした。

 

思いやりに技術・方法をプラスすると魔法が生まれる 高校生くらいの息子さんは日本のマンガやアニメに詳しく、日本語も少しお話しになったので、会話がおおいに盛り上がりました。そしてお食事が終わり、会計をすませてレシートをテーブルにお持ちした際、ご家族の皆さん全員が立ち上がって、日本語で「ありがとうございました」と、私に深くお辞儀をしてくださったのです。サーバーという仕事を通して、日本文化をお伝えするのが私の務めですが、ゲストから最も日本らしい形で感謝の気持ちを伝えていただけるとは思ってもいなかったので、本当に嬉しかったです。
 
皆さんがお帰りになった後、コメントカードを見ると、「楽しい経験をさせてもらいました。はるばるブラジルから来て良かったです。」と書かれており、最後は日本語で「ありがとうございました」とつけ加えられていました。書き慣れない日本の文字を、おそらく息子さんが一生懸命書いてくださったんだと思います。ありがたく思うと同時に、お礼を言っていだたけたということは、私たちが提供したサービスで、ゲストの皆さんを幸せにすることができたんだなと自信になりました。
 
私たちキャストはゲストの皆様へ日本のおもてなしを毎日実践しています。サービスの形は一人ひとりの思いが注がれ一つとして同じではありませんが、その根幹に流れているのは同じ日本人特有の気遣いではないでしょうか。相手を思いやり、些細なことに気づいて、さりげなくご要望にお答えするのが日本人の良いところ。その思いやりにCRプログラムの先輩方から代々受け継がれてきた、技術・方法をプラスすると魔法が生まれます。お客様を笑顔にする魔法、そして私たちも笑顔になる魔法です。その積み重ねがあるから、特別な場所として愛され続けているのだと思います。

学んだおもてなしの心と技術を次のステージで活かしたい

学んだおもてなしの心と技術を次のステージで活かしたい

将来は海外で働くという夢を持っていた私は、大学時代に1年間カナダに留学しました。その学校にはいろんな国の生徒がいて、その多くが日本文化に興味を持っていました。日本食も人気で、日本文化はこんなにも指示されているのかと驚き、みんなに日本のことをもっと知ってもらいたいと思うようになりました。ですから、CRプログラムの存在を知ったときは、「コレだ!」とピンときて、すぐに応募したのです。
 
最終面接の会場で、私は現在日本館の物販部門で働く1人のCRの方と出会いました。会話を交わすうちに仲良くなり、共通の趣味であるブレイクダンスで話が盛り上がり、「2人とも合格できたら、ディズニーキャストに向けたタレントコンペティションに出場しよう。一緒にオーランドで踊ろう!」と約束したのです。
 
幸いにも採用となった私と彼は、CRプログラムの同期や先輩たちに声をかけて、ダンス仲間を募りました。ようやくチームができてからは、5ヶ月後の大会に向けて厳しい練習の毎日でした。しかし、勤務シフトが遅番になると、仕事の終了時間は23時頃。それから寮に戻ってプールサイドで練習するのですが、同じ寮住まいでない人は2時には寮を出ないといけない決まりがあります。結局、十分な練習時間が取れないまま大会に臨み、ただただ悔いのないように力いっぱい踊ったのです。ところが、結果は優勝! ベストダンサープライズを頂きました。
 
私はCRプログラムを通して、海外での職業体験と日本文化を伝えたいという夢が実現しました。そしてそれに加え、鉄板江戸で数々の魔法の時間をゲストの皆様と体験し、大切な仲間と共に踊り、トロフィーまで頂きました。 ウォルト・ディズニー・ワールド®のロゴの下には「Where dreams come true」の文字が刻まれています。その通り、ここは夢が叶う場所。ゲストだけでなく、私たちキャストにもその言葉は当てはまります。 CRプログラムで勤務できるのは限られた時間ですが、その間に培ったおもてなしの心と技術は、きっとほかの場所でも通用すると思うので、自信をもって次のステージに進みたいと思います。

小川 備生のプロフィール

Q.1CRプログラム以前の海外生活経験は?
大学3年の頃、1年間カナダに留学。そこではじめて、世界各国の人たちに日本の文化を紹介したいという気持ちが芽生えました。
Q.2CRプログラム参加前の英語力はどのくらい?
TOIECの点数は800点くらい。日常生活に困らない程度の英語力はありましたが、ホスピタリティイングリッシュについての知識はゼロ。渡米してから研修で鍛えられました。
Q.3CRプログラム参加前の接客力はどのくらい?
大学時代、レストランとアパレルショップでアルバイトをしていました。接客の仕事は当時から好きで、自分に合っていると思います。
Q.4CRプログラム参加を考えている人にひと言!
私はオーランドに来て、自分がこうしたい、こうなりたいと願っていたことを全部実現できました。渡米前は不安に思うこともあるかもしれませんが、実際に来てみるとそれまで考えもしなかった体験をして、その一つひとつが原動力となり、新たな自分に出会えると思います。それを信じて、ぜひチャレンジしてください!