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日本文化交流大使として世界中のゲストに日本文化を伝える

CRの体験を知る

Interview 08

個性豊かな技で
目の前のゲストにために心を尽くす
鉄板エンターテインメント

谷野 莉子

2014年春期レストラン部門
Teppan Edo 鉄板サービス

鉄板オンステージ。個性豊かな技を披露する

鉄板料理は、日本文化なの?と思われる人もいると思いますが、アメリカの方に日本料理のイメージを聞いてみると、寿司、天ぷらと並んで「ハイバチ」という言葉が出てきます。これは「火鉢(HIBACHI)」を英語発音で読んだものなんですね。こちらの方に「Do you know HIBACHI?」と聞くと、大抵はご存じです。
 
「火鉢」は鉄板料理を指す言葉です。日本のホテルなどでも鉄板料理を提供しているお店はありますが、ここTeppan Edoがほかと大きく違うのは、調理をしながらパフォーマンスをするということ。私の担当している鉄板シェフの役割は、オーダーされたゲストの食材を準備して、ゲストの目の前でパフォーマンスを交えながら調理し、ご提供することです。

 

谷野 莉子 CRプログラムに参加し、このポジションに就いたときには、大変な仕事だと思いました。シェフとして美味しいお食事を提供することが第一優先あり、それができた上で、適正な時間を使って自分なりのパフォーマンスを見せる技を磨いていかないといけません。先輩方がどういうことをしているのか、現地採用のベテランシェフの方々がどのようにしているのか、技を見ながら自分なりにパフォーマンスを完成させるんです。ある意味、私たちはシェフでありながらパフォーマー。鉄板は私たちのオンステージなんですね。
 
食事の味もパフォーマンスも自分次第ですから責任重大ですが、その分得られるものも大きくて、ゲストの反応はどの仕事よりもダイレクトに伝わってきます。一度鉄板の前に立ったら、調理が終わるまではゲストと離れることはありません。本当に自分のゲストと言う感覚が強くなりますよね。
 
ときにはパフォーマンスで失敗することもあります。ここの文化では失敗を恐れないことも大切だと学んだんです。例えば、海老を違う場所に飛ばしても「今日の海老は活きがいいね」「いきなり風が吹いてきた」などとパフォーマンスをすると皆様笑ってくださいますし、どんな状況でもゲストを楽しませるように工夫します。Teppan Edoはリピーターの方も多いですから、いかにしてその方たちにまた来たいと思わせるか、このシェフが調理をしてくれて良かったと喜んでいただけるかが、鉄板シェフとしての私の課題だと思っています。

予想以上のフィードバックを実感する楽しさ

ゲストにもいろいろな方がいて、中にはたくさんおしゃべりしてくださる方もいます。お料理のことだけでなく、「ここにどのくらいいるの?」とか、「アメリカは楽しい?」とか、話しかけてくださるんです。一番印象に残っているご家族も、そんなふうに楽しくお話ししてくださった方たちでした。

予想以上のフィードバックを実感する楽しさ お父さん、お母さんと、10歳、7歳くらいの男の子の4人でいらして、いろいろご注文いただく中で、男の子がチキンをオーダーされたんです。ただ調理には順番があって、たとえお子さんのオーダーであっても、チキンは最後のほうまで待ってもらうことになります。「ごめんね、ちょっと待っていてね」と言いながらパフォーマンスを披露し、ようやくチキンの調理が終わり、お皿に盛ってあげると「すごく美味しい!」と全部食べてくれて、最後に「ありがとう、莉子」と挨拶をしてくれました。そのあと一緒に写真も撮り、ディズニーのサイン帳に私のサインも書いてほしいと言ってくれました。自分の名前を日本語で書き、その隣に彼の名前を聞いて日本語で書いてあげました。「これがあなたの名前ですよ」と伝えると、「Oh My God! Thank you!」とハグして「絶対また来るよ」と喜んでくれたんです。
 
私がゲストを喜ばせたい、楽しませたいという気持ちでパフォーマンスをして、そこにゲストが予想以上のフィードバックを返してくださる。こうした瞬間に、「鉄板シェフをやっていてよかった、この仕事ができることが幸せだな」と思います。
また、「すごく楽しかったよ!」と言ってくださったゲストの方が、その後にマネージャーにもお話ししてくださったことがあります。私がパフォーマンスを終えて鉄板の前を離れてから、マネージャーと話をしたいと言ってくださり、「莉子はすごくいいシェフだった。本当にあの子は頑張ったね」と伝え、コメントカードにも「莉子、おいしかったよ。パフォーマンスもよかった。ディズニーのレストランでこんなに面白い体験ができると思わなかった」と書いてくださった方もいました。コメントカードは形に残るものなので、今でも大切に持っています。

一期一会。ゲストとの一瞬をチームで盛り上げる

CRプログラムでの配属は、どんな現場で働くかを見学させていただいた上で、希望を出してから全員がダイニングマネージャーとの面接を受けます。私たちのときは、鉄板シェフ3人の枠に8人の希望者がいました。この仕事に就きたくてCRプログラムに参加する人も多いです。

 

一期一会。ゲストとの一瞬をチームで盛り上げる Teppan Edoにいらっしゃるゲストは、シェフの料理とパフォーマンスをメインと考えていますし、その期待に応えられるようにしたいのですが、実際はシェフだけで仕事ができるわけではありません。
 
まずゲストサービスがゲストを席にお通ししてメニューを配り、サーバーがドリンクとお食事のオーダーをとって、その情報をシェフに伝えてくれます。私たちはオーダーに合わせて食材を準備してお料理とパフォーマンスを提供しますが、役割はそこまで。調理中やその後のゲストのご要望をお伺いしたり、デザートを運んだりするのはサーバーが担当します。
 
つまり、ゲストへのサービスは、チームの連携があって初めてできることなんです。そのことをいつも忘れずにいたいと思っています。 自分がシェフになってから、ほかの日本食レストランなども気になってチェックしたりしますが、私たちのサービスのレベルは高いと、自信と誇りをもって仕事を続けています。
 
また、ウォルト・ディズニー・ワールド®・リゾートという場所は、ゲストにとっても特別な場所だと実感しています。ゲストの方自身がもしかしたらここに来ることが一生に一度の経験になるかもしれません。そして、エプコット®にはたくさんの施設がある中から日本館を選んでくださり、しかもこのTeppan Edoに足を運んでくださるのですから、やはり楽しんでいただかないといけないなと思うんです。鉄板の前にいらっしゃるのは、この瞬間にしか出会えないゲストかもしれません。チームで力を合わせ、一期一会の心でゲストの期待にお応えしていきたいですね。

日本から世界へ。将来の選択肢が広がった

日本から世界へ。将来の選択肢が広がった

私はもともと客室乗務員に憧れていて、その夢を叶えるには英語の勉強をしなくてはいけないと思っていたんです。高校3年生の時、「そうだ、留学だ!」と思いつき、強制留学のある大学選んで進学することにしました。そして、大学1年、2年の時に、ワシントン州にあるアメリカ分校にそれぞれ3ヶ月半の留学をし、大学3年生のときには、韓国との交換留学で1年間を韓国で過ごしました。帰国して4年生はいよいよ就職活動です。私は「準備は万端。ここまでやったのだから客室乗務員になれないわけがない」くらいに思っていたんですが、結局、航空会社の最終選考で落ちました。
 
CRプログラムには以前から興味はあり、就職活動をしながらこのプログラムに申し込みをし、合格通知をいただきました。ですが当時の私の第一目標は客室乗務員でしたので、合格通知をもらってから参加をするかどうか迷っていました。考え抜いた結果、もしかしたらこのプログラムなら何か違う経験ができるのではないかと考えたんです。客室乗務員とCRプログラムにはホスピタリティという共通点があります。結局、航空会社とはご縁がなかったので、もう迷わずCRプログラムに参加することにしました。
 
いま振り返ると、あのときに航空会社に受からなかったのも、何か意味があったように思います。このプログラムを終えたら客室乗務員に再チャレンジしたいと思っていますが、以前とは目標が少し変わり、日本の航空会社から外資系の航空会社にシフトしました。これが正解かどうかはわかりませんが、CRプログラムに参加し、様々なことを体験できたことは本当によかったと思っています。

谷野 莉子のプロフィール

谷野 莉子のプロフィール

Q.1CRプログラム以前の海外生活経験は?
大学1年生の時、ワシントン州にある大学のアメリカ分校に3ヶ月半の留学をしました。その後、2年生の時にも同様にアメリカ分校に留学。ただし、2度目の留学は希望者だけなので、その分学習内容も高度で、英語力、ライティング能力を鍛えられたと思います。そして、大学3年生で韓国に1年間の交換留学を経験しました。英語で授業をとり、大学の単位を取得しました。
Q.2CRプログラム参加前の英語力はどのくらい?
ビジネス英語まではできませんが、日常会話でコミュニケーションをとれるくらいはできました。
Q.3CRプログラム参加前の接客力はどのくらい?
大学生のときに、外資のコーヒーショップ、自然派化粧品のお店でアルバイトをしました。どちらも接客には力を注いでいる会社で、ディズニーの接客をお手本にしていたようなので、現在のサービスに通じるものはあったかもしれません。
Q.4CRプログラム参加を考えている人にひと言!
鉄板シェフの仕事を経験して、いま言えるのは、「迷っているなら来たほうがいい!」ということ。とくに鉄板シェフに関心がある人にはおすすめしたいですね。なぜなら、日本人として自国に誇りをもつことができるし、ここでがんばったことが自分の自信につながると思うからです。

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