CRの体験を知る
Interview 13
南部 さやか
2008年秋期 物販部門
ストア ゲスト・サービス
日本館の物販ショップは「伝統と革新が共存する調和の国・日本」をテーマに、伝統から革新へのタイム・トラベルを演出する4つのゾーンで構成されております。
日本館を来訪されたゲストが、姫路城正門から日本館ショップへと足を踏み入れると、調和の国・日本への擬似体験旅行の始まりです。擬似旅行体験は、日本の歴史を彩る4つの時代をテーマに「錦の賑い(Festivity Zone)、禅の静寂 (Silence Zone)、時代の調和 (Harmony Zone)、革新の趣 (Interest Zone)」から成り立ちます。私の所属する売場は、疑似体験の終着点である「革新の趣 (Interest Zone)」です。この売場では、現代日本を象徴するキャラクター玩具やぬいぐるみ、玩具、アニメ関連商品を、日本文化のひとつとして紹介しております。
日本のキャラクターやアニメ関連商品は、現代日本を象徴する存在であり、その知名度の高さは米国市場にも鳴り響いています。米国の子供達にとって、馴染み深いキャラクターの「本物商品」が並ぶこの売場は、アニメ・マニアの間では「知る人ぞ知る」、メッカのような存在となっているようです。
インタレスト・ゾーンを埋め尽くすゲストは、当然、子供ゲストが中心。つい先日、歩き始めたばかりの幼児ゲストから、小中学生の熱心な日本アニメ・ファンの方まで、日本文化への好奇心に目を輝かせながら、私達に接してきます。その目の輝きに応える為にも、日本館玩具売場で過ごしたひと時が、御家族の休暇の中の忘れ得ぬひとシーンとなる為にも、常に真心を込めた接客が大切であると私は思うのです。
去る7月7日、日本館では七夕祭りを開催しました。スター・フェスティバルと名打ったこのイベントは、日本館において、日本の七夕文化を世界中のゲストに紹介するという、楽しい催し物です。イベントに配属されたCR契約社員は、全員、浴衣でゲストをお迎えし、ゲストからの様々な御質問にお答えしながら、日本に伝わる美しい七夕の伝統文化を御紹介します。織姫と彦星の悲しい恋の物語に胸を痛めるゲストとお話をしていると、恋愛という感情は世界共通のものであり、異文化社会においても、人と人との尊厳や感情は、世界共通であるという事実に、改めて接した気がしました。
このイベントで、小さな子供達の一番の興味の的は、何と言っても「短冊」です。フロアに飾った笹に、重なるようにぶら下がる短冊に、興味津々と言った表情で「これ、な~に?」と訊いてきます。「私の国では、七夕の日にこの紙に願い事を書いて飾ると、願いが叶うと伝えられています」と丁寧に説明をし、「書いてみますか?」と尋ねると、子供達は、小さな顎で大きく頷き、目を輝かせながら思い思いの願い事を短冊に託しておりました。
異国文化に対しても、自分の好奇心を素直に表現し、ためらう事なく心を開いて接してくる子供達。その純粋な姿に、私は心から感動しました。
異文化社会で一番大切な事は「貴方の文化を理解したい」という純粋な想いと「素直に心を開き、敬意をもって相手に伝える」という言葉を超えたコミュニケーションではないでしょうか。CRプログラムに参加し、国際社会でのデビュー戦に挑み続ける私は、子供ゲストの皆様からとても大切なことを教わった気がしています。br>
ある日、玩具売場でゲスト・サービス用のキャラクター・シールを差し上げた、まだ言葉もおぼつかないような小さなお子様ゲストが、モジモジしながら、黙って私のことをハグしてくれました。その仕草の可愛らしさと、彼女の小さなぬくもりが、今も忘れられません。私はその時、国境も文化も超えた、コミュニケーションの原点に触れたのだと思います。
真夏フロリダを、毎日のように襲うのが夏の風物詩であるスコール(夕刻の雷雨)です。午後、フロリダの青空が一転し、真っ黒な雨雲が1時間程度の短時間、集中的な豪雨をもたらします。当然、この時間帯はパーク内でもゲストの屋外行動は制約されてしまい、屋内施設が中心。三越ショップにおいても雨上がりを待たれるゲストが店内を散策される間、私たちの文化紹介にも力が入ります。
ある日の午後、スコールで足止めをされた御家族に折り紙を御紹介していると、可愛らしいお譲様が、突然「くす玉の折り方を教えて」とおねだりを始めました。私は、鶴や風船などの「スタンダード・アート」の特訓は受けましたが、「くす玉」の折り方は知りません。同じ売場の同僚にも相談したのですが、誰も判りませんでした。
私は、日本代表の誇りにかけて「出来ません」とはお答え出来ず、ましてお譲様をがっかりさせる訳にはいきません。店内中の同僚に声をかけ助けを求める内、ようやく1名、「くす玉」を折れる同僚を見つける事が出来ました。急遽、彼女に応援を要請し、彼女と二人でお譲様のために臨時の「くす玉」教室を開催したのです。
完成した「くす玉」を前に、お譲様は本当に嬉しそうな笑顔を見せ、覚えたての日本語で「ありがとう」と何度も繰り返しながら、日本館を後にしました。彼女に喜んで頂けて大変安心しましたし、たどたどしい「ありがとう」の言葉が本当に嬉しかったです。
同時に、私は日本代表としてあまりに未熟だとも考えてしまいました。もちろん、奥の深い日本文化を完全網羅する事など、出来る筈がありません。しかし、日本代表の一人として日本館に立つ以上、「鶴は出来ますが、くす玉は出来ません」では、失格です。これからも毎日、自分の「日本文化知識」に磨きをかけ、文化交流技術向上に努めていく必要があると痛感しています。
私は中学生時代、当時流行していた米国映画や映画スターへ大きな憧れを感じ、自分の憧れに少しでも近づき理解したいとの思いから、英語は良く勉強し得意な科目のひとつでした。外国人の英語の先生との英会話も大好きで、「中学校レベルの英語知識でも、日常会話レベルのコミュニケーションであれば、全く不自由しない」と確信し、大きな自信をもっていたのです。
ところが、高校進学後、事態は一転してしまいました。英語の授業が難しくて、さっぱりわからなくなってしまったのです。理由は簡単です。進学目的の高校英語は「文法や和訳」が中心となり、試験の対象とならない「英会話」は二の次、三の次。私の英語への興味は急速に薄れていってしまいました。そんな失意の高校生活を送っていた私に、2年の春、オーストラリアへの3週間のホーム・ステイに参加するチャンスが巡って来たのです。「生の英会話生活が送れる・・・!」。私は、このチャンスに飛びつきました。
ホーム・ステイ先の御家族は「両親と3人のお嬢様」の5人家族。真ん中のお嬢様は私と同い年の高校生で、私と彼女は、「食事、通学、授業、買い物」など常に行動を共にする、まさに私の人生における「国際共同生活・パート1」と言った具合の3週間でした。この期間、私は忘れかけていた英会話コミュニケーションとその楽しさを思い出し、私にとっての英語とは「試験の対象」ではなく、「異文化コミュニケーションの手段」である事実を、明確に認識したのです。
大学時代は、4年間、東京ディズニーランドでアルバイトを続けました。この4年間、私はゲストを夢の世界に案内する「ディスニー・マジック」に魅了され「ゲストに喜んで頂ける事への喜び」を学んだのだと思います。
高校時代に掴み取った「英会話コミュニケーション」と、大学時代に学んだ「喜びのハート」。私はこの2枚の切り札を胸に秘め、日本代表としてCRプログラムに臨んでいます。プログラム終了後も、この切り札に更なる磨きをかけ、次なる国際舞台に飛び出すつもりです。世界中の人達に英語で語りかけ、世界中の人達を笑顔にする・・・。私の挑戦は続きます。
CRの体験を知る
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米国首都、ワシントンでのお花見。桜の美しさには、国境も文化もありませんでした。
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